要介護者の世話には、様々な費用が発生します。介護費用の中でも、施設の利用費は大きな割合を占めるので、事前の入念な確認が不可欠です。
介護施設は、大別すると入居型と通所型の2種類がありますが、運営方針や利用費には大きな違いがあるのです。要介護者への心身のケアを目的としている点は共通していますが、入居型は施設での健やかな暮らしが主な方針であり、通所型は自宅での生活を前提としたケアを行っています。一般的に通所型の施設の利用費が安価ですが、これは入居に関する費用が発生しないためです。しかし、施設によっては、専門職の人による本格的なリハビリを行っている所もあるので、その分だけ介護費用は割高になります。
通所施設の介護費用は、基本的に月割計算で求められます。多くの介護施設が、月単位での利用契約を結ぶのが理由です。また、金額は、要介護者の認定数値で変わります。数値が大きい人ほど、介護費用が高くなるので注意しなければいけません。食事のメニューの見直しや口腔ケア、認知症患者への対処など、特別な事柄に対しては別料金で請求するのが普通です。介護施設ごとにサービスの内容に違いがあることから、複数の施設を比較したうえで最適な所を選ぶのが、要介護者への配慮と言えます。通所施設の利用は、介護保険の対象になるので金銭の負担は過大にはなりません。それでも利用者は、原則的に1割、一定以上の所得がある場合は2割分の金額を自己負担することになるので、その点は注意しなければいけません。